胃内視鏡検査の症例

当院で行われた胃内視鏡検査の代表的症例を紹介します。
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1. 逆流性食道炎

ロサンゼルス分類グレードAの逆流性食道炎
ロサンゼルス分類グレードAの逆流性食道炎
ロサンゼルス分類グレードAの逆流性食道炎
ロサンゼルス分類グレードBの逆流性食道炎

食道に縦長の赤い切れ込みが数条見られます。胃酸が食道に逆流しておこる逆流性食道炎です。 胸焼け、胸痛などの症状がでます。胃酸分泌を抑制する薬の内服で症状は改善します。


2. バレット食道

短いバレット食道
短いバレット食道
長いバレット食道に発生したバレット食道癌
長いバレット食道に発生したバレット食道癌

食道は胃酸逆流によって特殊なバレット食道粘膜に置き換わることがあります。 バレット食道から食道癌が発生することがあり注意が必要です。


3. 好酸球性食道炎

好酸球性食道炎1
好酸球性食道炎2

食物つかえ感、胸部痛等の症状があり、内視鏡では食道に縦走溝とそれに沿った白斑がみられます。 細胞検査では赤色の顆粒を豊富に含んだ好酸球が多量に見られます。 食物アレルギーなどが原因と考えられていて、最近増加している疾患です。


4. 食道アカラシア

食道アカラシア1
通常観察
術前(食道拡張著明)⇒術後
術前(食道拡張著明)⇒術後

下部食道括約筋が異常に収縮するため食物が停滞し、飲み込みに時間がかかったり、胸部痛や就眠中の嘔吐をきたします。 腹腔鏡下手術、内視鏡手術によって狭窄部を拡張することにより軽快します。


5. 早期食道癌

通常観察
通常観察
NBI観察
NBI観察

早期食道癌です。通常観察では病変の指摘は困難ですが、NBI観察ではやや茶色の領域として病変が認識できます。 こうした、ごく初期の早期食道癌は内視鏡切除のみで治療が完結しますので、患者さんの負担は軽度ですみます。


6. 進行食道癌

進行食道癌

発赤した隆起と中央部の深い潰瘍を呈した進行食道癌です。 このような病変の場合、頸部、胸部と腹部を切開する大きな手術のほかに、抗がん剤治療、放射線治療等が必要になることがあり、 患者さんへの負担は極めて大きいものになります。


7. 慢性胃炎(ピロリ菌陽性)

びまん性発赤
びまん性発赤
点状発赤
点状発赤

1枚目は、胃粘膜にびまん性発赤があり、ピロリ菌陽性です。2枚目は、胃粘膜に点状発赤があり、ピロリ菌陽性です。 ピロリ菌を除菌することによって胃癌の発症リスクが低下します。


8. 胃潰瘍(ピロリ菌陽性)

胃潰瘍(ピロリ菌陽性)

ピロリ菌陽性の胃潰瘍です。ピロリ菌は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの原因になりますので除菌治療を行います。


9. 胃潰瘍(ピロリ菌陰性)

胃潰瘍(ピロリ菌陰性)

ピロリ菌がいなくても、痛み止め等の内服薬が胃潰瘍の原因となることがあります。 この症例は頭痛薬の内服後に発症した急性胃潰瘍です。


10. 十二指腸潰瘍(ピロリ菌陽性)

十二指腸潰瘍1
十二指腸潰瘍2

1枚目は、ピロリ菌陽性の十二指腸潰瘍です。一部出血が見られます。除菌治療の対象です。
2枚目は1枚目とは別の十二指腸潰瘍症例です。空腹時の心窩部痛が特徴です。


11. 十二指腸癌

十二指腸癌

十二指腸下行部の十二指腸癌です。十二指腸癌は比較的まれな疾患ですが、近年報告例が増えています。


12. 自己免疫性胃炎

自己免疫性胃炎
通常観察
インジゴカルミン染色観察
インジゴカルミン染色観察

胃粘膜細胞に対する自己抗体が自身の細胞を攻撃することによって著明な胃粘膜萎縮をきたす疾患です。 この症例では抗胃壁細胞抗体陽性、血清ガストリン値が5586と異常高値でした。 自己免疫性胃炎の方は胃癌やカルチノイドの発生リスクがあるので定期的な胃内視鏡検査が必要です。


13. 胃アニサキス症

通常観察
通常観察
NBI観察
NBI観察

イワシ、サバ、アジ、イカなどのお刺身を食べたあとに、しぼられるような胃痛が間欠的におこるのが特徴です。 内視鏡でアニサキス虫を摘出すると痛みはとれます。


14. 胃ポリープ(良性)

胃ポリープ(良性)1

胃底腺ポリープ(良性ポリープ)です。病気のない健常粘膜にみられるため、別名“幸せポリープ”とも呼ばれます。


15. 早期胃癌

通常観察
通常観察
NBI観察
NBI観察

富士市胃内視鏡検診で見つかった10㎜大の早期胃癌(粘膜内癌)症例です。症状は全くありませんでした。 この段階で見つかると内視鏡治療で完治することができます。


16. 進行胃癌

潰瘍型の進行胃癌
潰瘍型の進行胃癌
スキルス型の進行胃癌
スキルス型の進行胃癌

痛み、吐き気、便が黒い等の症状が見られます。手術のほかに抗がん剤等の治療が必要になる場合があります。