内視鏡の完全消毒について

皆様は最近、院内感染という言葉を聞かれることが多いと思います。院内感染とは、さまざまな医療行為を介して病気に感染することを言います。特に胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡機器は体の中に直接挿入されるものですので、内視鏡を介しての院内感染は絶対にあってはならないことです。理想的には、その日に検査を受ける患者さんの数だけ内視鏡が用意できればよいのですが、1本が高級車1台分もする内視鏡を何十本も用意するのは現実的ではありません。

ところが、日本では、いままでこの内視鏡の洗浄、消毒について非常にあいまいにされてきました。簡単な水洗いのみで再度内視鏡を使用している施設もいまだに多いと聞きます。また、検査前に患者さんが何らかの感染症(たとえばB型肝炎、C型肝炎、HIVなど)にかかっているかどうかを検査し、感染症例だけ完全消毒する施設もあります。しかし、検査の前に感染症の検査をしても、それらを検査前に完全にチェックすることはできないのです。

このような状況に対して、最近スタンダードプリコーション(標準的予防法)という考え方が広まってきました。これは、患者さんの体内に入った機器は患者さんの感染症の有無にかかわらず、かならず完全消毒するべきであるという考え方です。日本消化器内視鏡学会では、内視鏡洗浄・消毒のガイドラインを作って内視鏡消毒の啓蒙を行っていますが、これを遵守している施設はかなり限られているようです。

このように内視鏡消毒のガイドラインが遵守されない理由のひとつは消毒にとてもお金がかかることです。消毒薬は非常に高価であるのに、洗浄消毒のコストは診療報酬には全く含まれていません。すなわち、高レベルの洗浄・消毒をすればするほど病院側の持ち出しになってしまうのです。

しかし、当院では、内視鏡の高レベルの洗浄・消毒をすることは消化器専門クリニックとしての使命であると考えています。また、患者さんに絶対に院内感染をおこさせないためには、コストがいくらかかったとしても、内視鏡機器の完全消毒をするべきだと考えています。

そこで、当院での洗浄・消毒の手順ですが、検査後まず、予備的な用手洗浄とブラッシングを行います。その後、胃カメラ、大腸カメラともに、自動洗浄消毒器 OER3,OER4にて自動洗浄したのち、高レベル消毒剤アセサイドにて自動消毒します。また、胃内視鏡5本、大腸内視鏡2本を有し、より多くの内視鏡を常時使用できるよ うにしています。

このように、当院では内視鏡機器にたいして完全洗浄・消毒をすることによって皆様の安全をお守りしたいと考えています。また、院内に感染対策委員会を作って院内感染の防止に努めています。

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樫村胃腸科外科

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